魅力的だけど難しい、チューバの低音域の吹き方について
2015/06/02
チューバの低音域は、思い通りに吹ければ、
それだけでもう立派な仕事になるものだと思います。
ただでさえ低い音域を受け持つチューバですが、その低音域は…
・パートの役割として、とっても重要
演奏していて、ハーモニーの土台を受け持つことが多いはず
・作曲家から見ても、その音色が魅力的なので重要なところで使われる
ワーグナーのオペラより「ラインの黄金」でドラゴンが出てくるシーンは有名!!
・上手く演奏することが難しい
ワルキューレは低音楽器の永遠の課題…。
と避けては通れない部分だと思います。
ちなみに、音域が広く奏者ごとに役割を分担するホルンの世界でも
「良い上吹きは沢山いるが、良い下吹きは数えるほどしかいない」
と、言われています。
低音域をしっかりと、演奏することはどの楽器でも難しいことのようです。
チューバで低音域を吹く時に意識する点…
私が意識するのは、活字にすると以下の点です。
- 口をガバッと大きく開ける(口の中の容積を沢山得るために)
- 下唇の方を沢山使う(振動させる)イメージ
・・・活字では上手く伝わりませんね、申し訳ありません。
ということで、YouTubeで見つけた、私が見ていて
とても参考になった動画をいくつかご紹介したいと思います。
まずは、チューバのソリストとして、また近年は指揮者としても有名な
J.ガーレイさんによるズバリ「Low Register Exercise(低音域の練習)」という動画
もう一人、元エンパイア・ブラスのチューバ奏者でオーケストラからジャズ、
ソロまで何を吹いても素晴らしい、S.ピラフィアンさんによる音だしの動画
お二人とも、音色も素晴らしいのですが、
その吹いている様子(口をガバッと開けている感じ)も是非参考に頂ければと思います。
なお、いつか高音域のことも記事にブログに書こうと思うのですが
音域によって息のスピードを意識することも、ひとつのポイントになります。
息のスピードを意識する
- 低音域は、よりゆっくりとしたスピードの息
- 高音域は、より早いスピードの息
速度で考えると難しいので、ピアノの鍵盤が口の手前から向こう側へ、
ずらーっと並んでいるようなイメージすると良いかもしれません。
(口の手前に低い音の鍵盤、向こう側の遠い方に高い音の鍵盤)
目指す音が手前にあるか、遠くにあるかイメージすることで
その場所にあるロウソクを消すかのように、息のスピードも変わってくるかと思います。
低音域 練習方法の一例
また、低音域の練習の一例としては、
・シンプルに下のBbあたりから、2音ずつスラーで下がっていくロングトーン
参照:Bb⇒A、A⇒Ab、Ab⇒G…
(4拍ずつ、音の変わり目はスラーで。次に進む前に1小節ブレス)
なお、練習する際は、音質が劣化しないように注意しましょう。シンプルかつ効果あり!
・エチュードや簡単なメロディーを、1オクターブ下でゆっくり演奏してみる
(ボルドーニの2番や、ブラセヴィッチの初めの方など)
下のEやFの音までなら、下向きのゆったりとしたリップスラーも良いかもしれませんね。
すぐに音域なんか広がらない・・・!!
何事もすぐに出来るようには成りません!
安心して、毎日ちょっとずつ(←ここが大切)練習してみましょう~♪
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