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Rex Martin レックス・マーティン公開マスタークラスを聴講して

   

レックス・マーティン 公開マスタークラス

ノースウェスタン大学教授でチューバ奏者のレックス・マーティンさん(Rex Martin)の
公開マスタークラスを聴講してきました。

レックス・マーティンさんのレッスンが何よりも素晴らしいのは
楽器を問わず、色々な楽器の方がレッスンを受けに来られる点です。

私が以前レッスンを受けた際はトランペットの方も受講され、今回も
色々な低音金管楽器の方が受講されていました。

レックス・マーティンさんのレッスンは、私も過去に2回ほど受講する機会に
恵まれたのですが、楽器を吹く上で大切な事…日本語で言う「基礎」より
もっと根本的な事を、メンタルやマインド(考え方)の部分も含め、
シンプルにしっかりと教えて下さいます。

残念ながら私用で、全てのレッスンを見ることが出来ず、前半のみの聴講でしたが
今回の公開マスタークラスも、とても素晴らしいレッスンでしたので
その中から印象に残った事柄を私の備忘録もかねて、こちらに書き残したいと思います。

なお、この記事をご覧になられた事がきっかけで、より多くの方が
レックス・マーティンさんのレッスンに興味を持ち、また、次回の来日の際に
実際にレッスンの受講や聴講をいただくことが出来れば誠に幸いです。

 

「悪い癖は直せません。良い癖に置き換えましょう」

以前、こちらのブログにも引用した言葉なのですが、個人的にとても心に響く言葉です。

今回のマスタークラスでも受講生の方に、この言葉をアドバイスされていました。
以下にレッスンの断片を掲載するのですが、まずは皆さんの心の中にも
この言葉を留めて頂きたいと思い、先にご紹介させていただきます。

(以下、私の個人的な選択による”抜粋”ですのでご了承ください)

 

「2本」の楽器を持っていると考える

・2本の楽器を持っていると考えて下さい。ひとつは手に持った現実の楽器。
もうひとつは頭の中にある非常に美しい音を奏でる楽器です。

・まず、頭の中の楽器を演奏しましょう。
その時に出来る限り素晴らしい音で演奏してください。

(その後、実際に現実の楽器で上手く演奏できなかった時は、
「声に出して歌う⇒頭の中で演奏⇒現実の楽器で演奏」というサイクルを
繰り返しました。そして、受講生の音は、確実に良いものになっていきます)

・頭の中の楽器の音が自分で聞こえているのに、現実の楽器で音を外してしまう場合は、
もっともっと頭の中の楽器のボリュームを上げましょう。

 

ブレスについて

・この部分(お腹の下側。足の付け根部分に近い部分を手で示す)が、固くならないように気を付けましょう。
※時間があれば、後ほど写真を添付しようと思います。

・試しに、この部分を固くして(力を入れて)息を吸ってみましょう
⇒息が思うようにすえない。苦しい。

・逆に、この部分が柔らかくなくよう意識して(力を抜いて)息を吸う
⇒深く息が吸える。楽に吸うことが出来る。

・息の吸い方(口の形)⇒「Ho-(ホー)」で吸う。
逆に良くない例としては「hi-(ヒー)」、「ha-(ハー)※ついやってしまいがち」など。
(実際にやってみると、「Ho-(ホー)」が一番安易に沢山の量の息を吸うことが出来る)

・ブレスと組み合わせたストレッチの紹介(ブレスが取りやすいように体をほぐすための)
※時間があれば、後ほど簡単な動きを説明した動画を入れたいと思います。

 

音質向上のために、ロングトーンを練習しているという話を受講生から聞いて…

・ロングトーンは、非常にコンセントレーション、集中力が必要な練習である

・頭の中で演奏する事に加え、頭の中で細かく分けて音の終わりまで明確に歌う方法を紹介

(例えば、4拍のロングトーンだとすると「to—-」と通常は歌うが、
1拍ごと「to-to-to-to-」と頭の中では歌う。これにより最後まで明確なイメージが持てる)

 

マウスピースやリムを使った練習について

・より唇を振動させるイメージで吹いてみましょう

・(リムを使った練習の場合、ブレスについては、楽器やマウスピースの練習の時より、より多くの場所でしっかりと取っていらっしゃいました。個人的にリムだけで練習するとブレスが足りなくてどうしよう…と昔から悩んでいたので、良い例を見ることが出来ました)

・マウスピースでの練習で、スロートから出る息を手の甲にあてて、実際に出ている息の量を確認できる。

・マウスピースで練習する時に、力まない事を丁寧に何度もアドバイスされていました。

・また、アドバイス後は受講生のマウスピースの音が、聴講者が聞いていても、はっきりと違いが分かるほど良くなり、「力を抜いた、より楽な方法で、受講生の音は良くなり音量も2倍になった」とレックス・マーティンさんは表現されていました。

 

アーティキレーションには2種類ある、「?」と「!」。

・「?」ではなく「!」で演奏すべき

・(この場合の「アーティキレーション」は、ちょっとした言い回しだと思います。
それぞれのフレーズを「こうかな..?」と迷うように曖昧に吹くのではなく、各フレーズのニュアンスを「こうだ!」と断言するかのように吹くことが大切だという風に私は感じました。そのフレーズが「進む」にしても「止まる」にしても「続く」にしても…。なお私も昔、パトリック・シェリダンさんのマスタークラスを受講して同じアドバイスを受けた事を思い出しました)

 

吹いている時の舌の位置

・チューバを吹く時のシラブルには3種類ある⇒「to」「ta」「tu」

・チューバを吹く人の多くは、「to」が一番吹きやすい。

・レックス・マーティンさん自身は「ta」を使っている。
(より詳細な表現が可能だそうです)

・舌(のポジション)は、気を抜くと上がってきてしまうので、意識しておく。

・(例えば、「O」という発音を意識してる間は、口の奥・舌の根本付近が下にさがっているが、普通に会話している時など日常生活での舌の位置は、それより上の部分に位置している。これも体感できると思います)

以上、マスタークラスに関する私の個人的な抜粋です。

 

是非、演奏も聴いていただきたい!!

レックス・マーティンさんは、レッスンだけでなく演奏についても
本当に素晴らしい音楽を提供してくださいます。

誰もが憧れる非常に美しい音色もさることながら、それにも増して、
フレーズの細部までこだわった演奏は、まるでチェロなど弦楽器を
聞いているかのような素晴らしさです。

もちろん生で演奏を聴いていただけるのがベストですが
国内でもライブ盤が発売されています。是非お聴き下さい♪

Rex Martin Live in Japan [WKCD-0013]※Amazonへのリンクです。

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