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Spanish Brassの魅力

   

SpanishBrass

 

先日、実力派の金管五重奏団 Spanish Brass Luur Metalls (以下 Spanish Brass)が
来日し、私は初めて生で演奏を聴かせて頂いたのですが、想像以上に素晴らしい
演奏と演出だったので、こちらのページで紹介させていただきます。

また、こちらのページを作るにあたって、Spanish Brassにメールをお送りしたところ
快くオフィシャルページからの引用を承諾くださいました…オフ・ステージの
ファンサービスも素晴らしい! Spanish Brass様、有難うございます!!

以下、文章ばかりの説明では、退屈なものになってしまうので
Spanish Brassのアルバムを少しずつ紹介しながら続けて行こうと思います。

まずは、25周年記念のアルバム。以下より直接、試聴や購入が出来ます!

ナルボンヌ国際金管五重奏コンクールで優勝

私が Spanish Brassの事を初めて知ったのは、意外と前の事、1996年の事で、
私がまだ学生だった頃に愛読していた管楽器の専門誌「PIPERS」を通しての事でした。

記事の内容的には(当時はまだ少なかった)金管五重奏のコンクールが、フランスの
ナルボンヌで行われ、その第6回の優勝者がSpanish Brassで、しかも審査員から絶賛の
声が挙がっていたという物だったと記憶しています。

また、コンクールという形式にもかかわらず、審査員から絶賛の声が挙がっていた
というのは本当に素晴らしい演奏だったのではないかと推測します。
金管楽器の楽譜の出版社としても有名なEdition BIMのジャン・ピエール・マテ氏も、
この演奏をきっかけにSpanish Brassのファンになったと聞いたことがあります。

当時は、金管五重奏で国際的に有名な団体は、Canadian BrassかEmpire Brassという
時代でしたから、Spanish Brassの登場は新鮮で、そして我々金管楽器奏者にとって
非常に楽しみな事でした。

(「viBRASSions」トッカータとフーガなどクラシック~ジャズまで収録)

フルタイムの金管五重奏ならではのクオリティーの高さ

私が聴いて驚いたのは、そのアンサンブルとしてのクオリティーの高さです。
もちろん各プレイヤー個人の演奏は言うまでもなく高いのですが、
室内楽的で有機的なアンサンブルに感動しました。

しばしば海外のオーケストラのメンバーが金管五重奏を組んで日本に
来日することがあります。私は普段、聞くことのできない各奏者の演奏を注意深く
聴くことが出来たり、オーケストラとは違うアプローチで表現されていたりと
それはそれでとても好きなのですが、フルタイムで活動している金管五重奏は、
また、それとは違った良さがあると思います。その良さを明確に聞かせてくれるのが
この Spanish Brassでした。

(「SBLM」今回の来日公演では、このアルバムからも何曲か取り上げられていました)

動きのある演出とレパートリーの広さ

演出として(演奏効果としても)、一番特徴的なのが彼らのフォーメーションです。
全員立奏だからこそ出来る技でもあるのですが、視覚的な効果だけでなく
音響的な効果も非常に高い物でした。

以下、分かりやすいようYouTubeの動画を転載します。音響的な効果は
実際にコンサートに聞きに行った方が体感できるかと思います。

この曲は、実際に今回の来日公演でも取り上げられていたのですが
個人的には、ホルンとフリューゲルホルンがパッセージを分担して演奏する際に
ホルンがフリューゲルホルンの隣に寄り添い、そして、後ろを向いてベルを客席に
向けることで、音色が均一化されるアイデアに非常に驚きました。

また、こういった他声部の音楽は頻繁に並び方や向きを変えることで
かなりの大きな音響効果をあげていました。

また、もう一つの特徴にレパートリーの広さがあります。

ここまで紹介したアルバムの内容からも垣間見ることが出来るのですが
非常に幅広い選曲で、クラシックからジャズ、そして現代作曲家の献呈・委嘱作品も
演奏しています。

彼らのジャズは、クラシック奏者が時折演奏するジャズのフィーリングではなく、
非常に本格的なものです。これは各自の経歴も反映してのことだと思います。
もちろんチューバも最高です!私はチューバを演奏しますが、メンバーの
セルヒオ・フィンカ=キロスさんの演奏は、素晴らしいの一言です!
ソロは勿論の事、非常にリズムの生きたご機嫌な伴奏も聞かせてくれます。

また、特筆すべき点として、現代作曲家とのコラボレーションがあり、
新しい金管五重奏のレパートリーを継続的に開拓しています。
クラシックの曲やジャズの曲で、たまにコミカルな演出も入れる彼らですが
こういう作品(および演奏)を取り入れることで、ピリッとプログラムが締り
全体的な完成度を高めているように感じます。

最後に・・・。

ということで、Spanish Brassについて音源も織り交ぜながら
ご紹介させていただいたのですが、その演奏やパフォーマンスの質の高さに比べ
まだまだ日本での知名度は、十分とは言えない状況だと思います。

次回の来日については、今のところ具体的な日程は不明ですが
必ずまた日本に来てくれることと思います。

彼らのパフォーマンスは観客を巻き込んだものも多く
盛り上げることも非常に上手なので、是非、次回の来日では
沢山の方に足を運んでいただければと願っています!

Spanish Brass

 

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