何だかんだでずっと使っているマウスピース①:ペラントゥッチ PT-88
2015/08/02
「このマウスピースに変えれば、きっと・・・」という幻想
自分にあった最適なマウスピース・・・チューバ問わず金管楽器奏者にとって
探し続けることは、永遠の悩みかもしれません。また、商品説明のスペックや
キャッチコピーを見ただけで「このマウスピースに変えれば・・・!」と
思ったことが、誰でも一度はあるのではないでしょうか・・・私は何度もありますw
ですが、そこからよくあるのは、
「結局昔から使っていたマウスピースに戻ってくる」
という現象ではないでしょうか。
新しいマウスピースを、前に使っていたマウスピースの吹き方・息の入れ方で
吹いていたので、「初めは」良い結果が得られていたものの、
最終的には、新しいマウスピースの吹き方に慣れて(順応して)しまい
変えたメリットがなくなってしまった・・・とか、使っているうちに
どうも違和感がしてきた・・・等、戻ってくる理由は様々かと思います。
私も例に漏れず、いろいろなマウスピースを、ふらふらしているのですが
何だかんだで、ずっと使っているマウスピースが何種類かあります。
ペラントゥッチ PT-88 Sシャンク
何だかんだで、ずっと使っているマウスピースのひとつです。
私のC管は、B&Sというメーカー(動画ですとシルバーの方)なのですが
ノーマルシャンクだと、少しマウスピースが入りきっていないように
見えたため(音程が低くなるといけないので)、Sシャンクにしました。
ヤマハ・ミラフォンについても、Sシャンクの方が合うかもしれないと
楽器屋さんから聞いた覚えがあります・・・。
内径は 33.5mm で、カップも深く
部類としては「大きい」マウスピースですが、
カップの底が丸い(カタログ:半円球)Uカップなので
同じ大きさでも、Vカップよりコントロールが
しやすく(私は)感じます。
D.ペラントーニさんとR.トゥッチさんで「ペラントゥッチ」
他の楽器の方にペラントゥッチという名前の由来について話した際に
とても驚かれたことがあったので最後に追記させていただくのですが、
ダニエル・ペラントーニ(インディアナ大学教授、チューバ・ソリスト)
ロバート・トゥッチ(元バイエルン州立歌劇場チューバ奏者)
このお二人が協力して開発したので、お二人の名前をとって
「ペラントゥッチ」というブランド名になっています。
チューバ奏者としても、とても素晴らしい方々ですので
是非、音源も聴いてみてくださいヽ(・∀・)ノ
(写真のリンク先で試聴できます)
「上達したら大きな物を」とは一概に言えない。
この大きめのマウスピースは、低音域が吹きやすいことや
音量が豊かなことだけでなく、私の少し中央から右にずれた
ところで吹いている癖や、ピボット(音域で角度が変わる)で
吹く癖を許容してくれるマウスピースでした。
結果として、息が沢山必要で身体的に疲れると感じることは
ありますが、総合的(出てくる音も、奏法面も)に、
私にとってロングセラーのマウスピースです。
また、カタログで「上達したら大きなサイズを」という
印象を受ける説明文をみかけますが、私個人は一概に
そうであるとはいえないと思います。
もちろん大きなマウスピースを使う利点(音量・音色)は
ありますが、それよりもまず、自分が自由にストレスなく
ちゃんと「楽器を響かすことのできる」マウスピースを
使う(見つける)ことが大切だと思います。
楽器を響かすことができない大きなマウスピースで吹いても
モワモワ吹いているだけにしか聞こえないかもしれません・・・。
(かつコントロールできないと思います)
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